魅力
Part3

圧倒的な賃貸需要と賃料相場

圧倒的な賃貸需要

参考: ValuePenguin

New York市のデータとなりますが、約67%の方々が賃貸で住んでいるという数字がでております。これはManhattan に関しても同様な数字になってくるか、これ以上に賃貸で住んでいる人が多いかなといった感じです。
やはり世界中からお金が集まってくるため、投資家が保有しているケースも多く、必然的に賃貸で住む人の割合が多くなっているものと考えられます。また、駐在員の数も多く、3-5年と短期的に住んで母国へ帰っていくという方もかなりの数マンハッタンに住まれていることも大きな要因となってきます。

Manhattan の賃料相場

参考: Corcoran Report

マンハッタンは賃料が高い、高いと言われるが、本当のところはどうなのであろうか?
上記賃料チャートは、米系不動産大手不動産会社 Corcoran 社が発行している、賃貸マーケットレポートの一部抜粋した内容となっている。

・Studio (ワンルーム) : $3,576 = 約546,000円/月
・One Bedroom (1LDK) : $4,665 = 約712,000円/月
・Two Bedroom (2LDK) : $7,041 = 約1,075,000円/月
・Two Bedroom (3LDK) : $11,342 = 約1,731,000円/月
※この記事を書いているのが2025年2月14日 為替レート 1ドル152.79円で計算しております。

この相場を見てどう思うだろうか?
高すぎないか!?と思った方がほとんでないだろうか。
ただ、これがマンハッタンの相場そのものなのである。
為替の影響があるので、一概には言えないが、日本の投資家が変われるコンドミニアムは、まさにこの相場付近の建物が多いです。上記は平均の賃料であるため、ここに新築の場合や、少しグレードが上がると、賃料は当然さらに上昇し、Studioでも4,000ドル台、1Bedroomでも5,000-6,000ドル前後となる印象です。また、この相場が、まさに最多価格帯というか、一番流通量が多い価格帯となります。そのため、この価格帯に合うようなコンドミニアムを選定していくというのは、賃貸運営を行う上で、空室率や稼働率を上げるうえで重要な要素となってきます。

これまでの賃料の推移

引用:Miller Samuel Inc.

コロナが発生した2020年は、やはり賃貸市場がかなり苦戦をしていたが、コロナが明けるとマーケットが一転。過去最高を記録し、現在に至っている。季節要因などがあり、上下が少し激しいマーケットとなっているが、それでもManhattanの賃料は以前として高止まりしている。
この要因として、
1、ポストコロナで需要が戻ったこと
2、リモートワークが進んだこと
3、金利の上昇により、購入を検討していた消費者が賃貸を選択し需要が増大したこと
4、国外から留学生が戻ってきたこと
上記以外にも要因はあるかと思うが、このようなポストコロナでの事象が賃貸市場の賃料を一気に押し上げたのである。

日本の賃貸慣習との違い

日本アメリカの両国で取引、契約を一通り行い、感じた日米の賃貸習慣の違いを下記にまとめさせて頂きます。

Door Man と Non – Door man の違い

Manhattan, Queens, Brooklyn の高級と言われる建物には、24時間365日、玄関のフロントでドアを開けたり、荷物を受け取ってくれたり、来客を案内してくれたりする、フロントマンがいる。そのシステム及びフロントマンの方々がいる建物を「Door Man Building」と呼んでおり、この人たちがいない建物を「Non-Door Man Building」と分けている。当然、Door Manがいない建物は、セキュリティが弱く、賃料も安い。上記、賃料相場で例示してきた金額も、Door Man Buildingの相場となる。
なお、私が住んでいたQueensの奥地や、安いボロボロのアパートには当然Door Manなんてものはおらず、オートロックというだけでも有り難いものである。

冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、オーブン、電子レンジ、備え付けのエアコン

日本は、本当の空室で賃貸契約が結ばれることが多いが、マンハッタンはほぼ標準装備で、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、オーブン、電子レンジ、備え付けエアコンが専有部分に付帯される。なお、新しい建物は洗濯機置き場が室内にあるが、築年数が古い建物は、洗濯機が専有部部になく、地下に共有のコインランドリーがあったり、そもそもコインランドリー自体なく、近所のクリーニング店にお願いするパターンの建物もまだまだ多く残っている。
そのため、投資用の不動産を購入する場合、この設備関係(冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、オーブン、電子レンジ、備え付けエアコン)は所有者の所有物となり、故障した場合は所有者負担で修理が必要となる。もともとかなり高級な(Bosch, Mile, Gaggenau等)のため、契約書上、同等の製品を入れることが明記されていることが多い。そのため、故障した場合は、ある程度の出費を覚悟しておかなければならない。

クリスマスチップは想像以上に負担になる

日本にはない制度であり、初年度はかなりびっくりする制度である。クリスマスになると、住んでいる住民から、建物のスタッフ(Door Man, マネジャーさん、管理人さん(通常数名いる))に、クリスマスチップ(現金を小さな封筒に入れて渡す)が発生する。相場はないものの、あまり少ないとその後の生活に支障をきたすため、ある程度のお金を渡さないといけない。
私は、不動産営業で建物に入ることが多いため、よく行く建物には、身銭を切ってクリスマスチップを渡していた。こうすることで、何かトラブルがあった時、自分のお客さんが困った時に、「あいつのお客だったら助けてやるか」となり、顧客満足につながるからだ。なお、投資用として買った場合、管理委託した会社の管理部が代わりにあいさつ周りを行ってくれている。ただ、もしクリスマス以外でもNew Yorkに立ち寄る機会があれば、自分が保有しているコンドミニアムの管理人(マネジャークラスだけでも)にクリスマスチップとして感謝を伝えると、水漏れの初期対応、賃貸で貸している場合で賃借人からの小さなトラブル等を解決してくれる場合があり、アメリカらしいThe 資本主義であるが、これはこれで合理的なシステムであると思った。

全て定期借家契約が基本となる

日本は、普通賃貸借契約で1〜2年契約が基本になってくると思います。また、借地借家法で賃借人がかなり手厚く守られており、オーナー側から追い出すということは、正当事由が無ければ難しく、実質ほぼ難しいのはご理解いただいている部分と思います。では、Manhattan の賃貸借契約はというと、1年又は2年の定期借家契約がほとんどとなります。また、賃料が上昇するというマーケットの特性で、1年契約よりも2年契約の方が賃料が高いという特徴があります。
また、定期借家契約のため、契約期間が終了した場合、オーナー側も独自の判断で契約を切ることができる。つまり、日本よりもかなり家主側に有利な法律構成となっています。

賃貸保証会社は、まだまだ発展途上のアメリカ

日本では、上場会社の安定した職業の方、お医者さん、士業の先生などでなければ、多くの場合保証会社をつけて欲しいと言われるケースがほとんどと思います。
Manhattan ではどうでしょうか? 少し前から徐々にInsurent(インシュアレント)という会社が、連帯保証人をつけれない人や、海外からの留学生などのために保証システムを提供しています。
ただ、日本のように、とりあえず保証会社に加入してください、という形ではなく、クレジットスコアーや経歴などを考慮して判断されておりました。ただ、まだまだ発展途上でこれからもっと大きくなっていくマーケットだと感じております。

礼金という意味不明なシステムは存在しない

日本でいう礼金というものは存在いたしません。
マンハッタンでは、敷金(Security Deposit)が1ヶ月分となっております。

仲介手数料は?

Condominiumの場合とRental Buildingの場合で異なることがあります。※建物の違いに関しては、下記記事をご参照ください。
Condominiumの場合、年間賃料の 15% (約1.8ヶ月分)を借手が払うことが一般的です。※2社の別々の不動産会社で分かれで契約する場合、借手側不動産会社で7.5%、オーナー側不動産会社に7.5%という配分になることがあります。一方で、Rental Building の場合、直接Rental Buildingに建物を管理している事務所がありますので、そこに直接行けば、仲介手数料が掛からない場合がほとんどです。